サーンアバスの巨人 Cerne Giant スミスズ・アーム Smith's Arm
予定を1つ飛ばしてこの旅の通算13個目の”ヒルフィギュア”となるサーンアバスの巨人(Cerne Giant)に向かう。
例によりナビ子ちゃんは最短距離を走る。”A352ドライブ”としたが、一時車を止めて様子を見るほどの霧のローカルロードを走り目的地直近でA352に出る。
ジャイアント氏にも3度目のお目通りとなる。始めてお目に掛かった時の力強く、荒々しい姿はない。風雨と植物により相当浸食されている。
霧の所為もあってその姿ははっきりしない。(修復直後の姿は下左の拡大写真からご覧あれ)
高さ55m、幅51mはイギリスのヒルフィギュアの中で最大とナショナル・トラストが謳う。右手にしている節くれ立った棍棒でも37mもある。
起源については諸説あるが、最も古い記録は17世紀の末ごろに見られるらしい。豊穣のシンボルとか、ローマのヘラクレスであるとか、
オリバー・クロムウェルのパロディーなどの説がある。地元の伝承では”デンマークの巨人が上陸し羊などを食べて荒らし回るので、
昼寝をしている間に勇敢な農民が彼を打ち殺して、他の巨人への警告として体の輪郭に沿って溝を掘った”と伝えれれる。
また、子宝や縁結びのご利益も言及される。
次は巨人のいるCerne Abbas村からA352を南へ5kmのGodmanstone村にイギリスで最も小さなパブがあるとの情報だ。
最大から最小へのギャップも楽しい。道路沿いにあるようだが、何せ最小だから見失わないよう慎重に走ると左手に藁葺き屋根で赤いドアーの小さな建物が見つかる。
スミスズ・アーム(Smith's Arm)だ。間口3m、奥行き6m、天井も低い18世紀の建物だという(写真下中2枚)。
2004年まで営業していたが、今は経営者が病気で閉まっている。現役のときに訪れたかったものだ。この道路は何度も通ったはずだが、
気が付かないで通り過ぎていたのだ。やはり、旅には情報が必要だ。”情報の引き出しが多いほど、旅は充実する”という私の信条は間違っていない。
このパブにも2つの面白いエピソードがある。1つはチャールズ2世(Charles II)が鍛冶屋であったスミスズ・アームに立ち寄り、ビールを提供するよう頼むと、
鍛冶屋は「ライセンスがないから提供できない」と断った。するとチャールズ2世は「今日からライセンスを与える」と言ってビールを提供させた。というものだ。
もう一つは、スミスズ・アームがイギリス最小のパブを謳っているとベリー・セント・エドマンズ(Bury St. Edmunds イーストアングリアの街で2003年に訪れた)の
"Nutshell"というパブから「こちらが最小だ」とクレームがついた。
論争の末、1982年にフットボールの試合で決着をつけることになり"Nutshell"が勝ち、今や”イギリス最小のパブ”としてギネスブックに載っているのだ。
こちらの方が間口2.1m、奥行き4.5mと確かに小さいようだ。実際の寸法でけりをつけるのでなく、フットボールで決着をつける辺りが粋だ。
A352を南下、懐かしいドーチェスター(Dorchester)の市街を通過する(写真下右)。最近は大きな街はすっかり敬遠している。
Address | Cerne Abbas, Dorset, DT2 7AL |
Telephone | 01297 489481(Cerne Giant) |
Web Site | Cerne Giant Smith's Arm |
詳細はWeb Siteなどでご確認ください。
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